中学生の時にいじめを苦にして割腹自殺を計り、その後、自暴自棄になって非行に走り、16の時に暴力団組長の妻となり、背中に刺青を入れた女性がいる。
そんな人間が、今は弁護士をして、昔の自分の臭いがする少年少女に弁護士の枠を超えた更正の働きかけをしている。
ここまで書いただけだととても信じられない話だと思うだろうけど、本当にあった話だ。

僕の場合、今までいじめにあった事もないし、いじめた事もない(と思う。。。)。
だから、いじめる人の心境も分らないし、いじめられる辛さも知らない。
転校を機にいじめを受ける事もケースがあるらしい。
吉井怜さんもこのケースでいじめにあった一人だという話をしていた。
転校したてってやっぱり周りから注目されて、ちやほやされるけど、それを良く思わない人もいる。
そういう人が、周りに影響力のある人だったとしたら、周りに圧力をかけるのは必至だ。
小学生とか中学生にしてクラス一丸となったいじめに立ち向かわなければならないなんて、とても僕には想像出来ない。。。
この本の著者の大平光代さんも、同じように、転校を機に、限りなく陰湿ないじめと、友達、ましてや親友からの数々の裏切りを受け、その復讐心で割腹自殺を計った。
僕は物理的にいじめを受けた事はないけど、この本を読んでる時、すごく胸が痛くなったし、割腹自殺を計る場面はとにかくお腹のあたりが熱くて、何か不安定な感じで、自分の力ではどうしようもないような感覚に襲われた。
彼女の辛さや痛みのほんの一部だろうけど共有出来たと思う。
吉井怜さんと大平光代さんってすごく似てると思う。
吉井さんはその後、白血病に襲われてしまい、大平さんはその後、どうしようもなくなって極道の道へ、という究極の修羅場を経験する。
生半可な意気じゃ、これ程の修羅場を抜け出す事はとても出来ないはずだ。
彼女達には、いじめをバネにした凄まじい精神力があったんだと思う。
そして、今となっては、彼女達にはそれぞれ、超具体的な未来のビジョンと、いじめをする人間さえも包み込める優しさがあるんじゃないかと僕思う。
大平さんに関しては、この本の弁護士とは思えない素人っぽい文章の書き方からも、僕にはその優しさを十分に感じられる。
大平さんは、この本について「文章作法を十分勉強する事が出来ないままの書き上げとなってしまった」という事をこの本のあとがきで言っていた。
本当に文章の書き方を知らないだけなのかもしれないけど、僕には、彼女が無意識のうちに、読む側の立場になった書き方をしてるんじゃないかと思える。
難しい言葉を使ったり、他と差別化を計る表現を敢えて付け加えたりする必要なんて全くない。
どんな人に対しても、どこまでもストレートに伝えられるのが一番大事だと思う。
大平さんの伝えたい事は、彼女の未完成な文章を通して僕の心にストレートに伝わってきた。
僕は、相手の身になって文章が書ける人間の優しさやぬくもりを感じる事が出来た。
「今こそ出発点」
どんなにどん底にいても、人はその瞬間からやり直す事が出来る。
大平さんは、究極の泥沼から見事に這い上がり、それを最大限のバネにし、中卒ながら、一発司法試験合格という快挙を遂げた。
信じられない??
その信じられない事が僕等にも出来るんだ。
他にも、どん底を出発点に変え、見事に立ち直った人間は数多くいる。
僕等にとって、こんなに心強い事はないと思う。