第31話 ハプニングの神は僕に微笑み続ける

優柔不断な僕は、結局パタゴニアで何も買わずに、この日宿泊予定のスーパー8というモーテルまでヤトミさんに送ってもらった。スーパー8は、ドライブ旅行者御用達のモーテルというだけあって、サンタモニカ・ピアからもかなり遠くにあった。ヤトミさんにサポートしてもらえなかったら一人で辿りつけていたかはかなり怪しい。

ヤトミさんはどこまでも紳士的で、チェックインまでしっかり面倒を見てくれ、おまけに「お腹減ったでしょ?」と、実際お腹が減っていた僕に気を遣ってくれて、カリフォルニアと周辺の限られたエリアでだけで展開されているという、イン・エンド・アウトというハンバーガー屋に連れて行ってくれる事になった。

部屋に荷物を置いて、どんなハンバーガー屋なのだろうかとウキウキしながら部屋を出ようとした時にそれはハプンした。オートロックのドアのはずなのに、ドアを外から閉めても普通にドアが開いてしまうのだ。ドアノブをいじってみたり、2人で手分けして内側と外側で試行錯誤したりしてみるが、全く状況は好転しなかった。なんだ、ドアが壊れてるじゃんか。これまでも数々のバラエティ溢れるハプニングが起こってきた訳だが、まさかここまでやってくれるのかと半分呆れてしまった・・・何かしらの見えない力が働いて、僕にこういったトラブルを経験させる為にいろんな障害を演出しているのかとさえ思えた。

ヤトミさんが進んでフロントの人に状況を話してくれて、フロントの人もさすがに笑うしかなかったみたいだが、笑って済ませられる問題でもなかった。運が良いのか悪いのか分からなかったが、一番大きい部屋しか空いてなかったようで、同じ料金でその部屋に変更してもらえる事になった。

ここのフロントの人はすごく感じの良いかわいらしい女性で、僕等が日本人だって事に対して何の壁も持っていないようだった。すごく笑顔が素敵で自然体でとってもキュートで、思わず恋しちゃいそうな女の子だったのだ。

彼女が、僕等に対して自然に接してくれたのは、ヤトミさんが流暢な英語で感じよく話が出来たからなのかもしれない。だとすると、まず僕に足りないのは英語力で、僕がアメリカ人と感じよく話せないのは、英語での会話に対してまだ根深いコンプレックスを持っているからなのかなと思った。こういったコンプレックスは相手に直に伝わるだろうから。

変更してもらった部屋に入ってみると、ダブルベッドよりさらに大きいキングサイズのベッドが二つあり、何をするにもでかい部屋だったので、恐らくこの部屋は家族用だった。あまり部屋が広すぎても、ただ寝るだけなので何か申し訳ない気がしてまった。

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