「市民参加のレベル」を科学する -A Ladder of Citizen Participation-

有用な情報とは、何も最新の情報の中にだけあるわけではない。

「市民参加のレベル」を科学した”A Ladder of Citizen Participation“(市民参加のはしご?)は1969年に書かれたが、政治において最重要のテーマにも関わらず、未だにこういったテーマが語られることはそう多くはない。

日本では、多くの人が、依然として、一般国民として政治に及ぼせる影響力は、自分に与えられる一票にしかないと思い込んでいるように思う。「投票」は、民主国家の国民としてとても重要な行為ではあるが、国民が及ぼせる影響力はそれだけではない。

ということで、市民参加がどのレベルまで可能なのかを、”A Ladder of Citizen Participation”からひも解いてみよう。

ます、下の図は、市民参加のレベルを段階的に示した「はしご」だ。下から上に向かって、市民参加の度合いが高くなっている。

 

Eight rungs on the ladder of citizen participation

Nonparticipation(不参加):

1. Manipulation(ごまかし)
2. Therapy(セラピー)

Tokenism(形だけの平等主義):

3. Informing(告知)
4. Consultation(相談)
5. Placation(慰め)

Citizen Power(市民の支配権):

6. Partnership(パートナーシップ)
7. Delegated Power(委譲された権限)
8. Citizen Control(市民による支配)

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それでは、段階ごとに概要を説明していこう。

Nonparticipation(不参加):
一部の権力者が市民を巧みに操る。決められた結果に対して、市民の影響力はほぼない状態。

1. Manipulation(ごまかし)
ごまかしたり、騙したり、言いくるめたりして、市民に言うこと聞かすような段階。市民は、巧みに操作されてるだけで、自ら政治に参加しようとしない。当然、市民の影響力はほぼゼロ。

2. Therapy(セラピー)
これも、Nonparticipation(不参加)の一種で、Manipulationとの違いは、「形だけ」市民に耳を傾ける姿勢を見せる状態。しかし、最初から結果は決まっていて、結局は市民の影響力はほとんどない状態。

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Tokenism(形だけの平等主義):
一応、市民は情報を与えられ、意見を持つ自由を与えられる。だけど、結局は権力者たちの影響力は絶大。

3. Informing(告知)
この段階では、役所が市民に、最低限の権利や責任、選択肢などの情報は与える状態。だけど、あくまでその情報伝達は一方通行。しかし、これは、本来あるべき市民参加の形へ近づけるための重要なステップ。

4. Consultation(相談)
この段階では、パブリックコメントやサーベイなどで市民から広く意見を募集するが、結局はあまり考慮されない状態。結局、市民の声は届かず、パフォーマンスのためにだけに行われる儀式のようなもので終わる。

5. Placation(慰め)
この段階では、役所が「自分たちの優位を維持できる範囲で」弱者(マイノリティ)を数人選び、公的機関の役員などに抜擢する。市民が直接影響力を持てるようになることは間違いないが、依然として、意思決定に影響する役員席は、ほとんどは多数派(マジョリティ)に占められることになる。

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Citizen Power(市民の支配権):
役所と市民との間の信頼関係が構築され、市民が高いレベルで合意形成プロセスに参加し、市民による統治が高いレベルで実現している状態。

6. Partnership(パートナーシップ)
市民と権力者との交渉の末に権力が再配分が行われ、ギブアンドテイクを通して基本原則が確立される状態。信頼されるリーダーのいる市民の組織的な基盤があるると、この段階まで辿り着きやすい。

7. Delegated Power(委譲された権限)
住民団体に権限を委譲してその地域のモデル計画を立てさせたり、市民との協働事業を推進したりして、市民を信頼し、市民に部分的な意思決定権を持たせる状態。

8. Citizen Control(市民による支配)
(誤解を受ける表現かもしれないが)もはや、絶対的な影響力を持てる個人がいなくなる。人々は、政策や機関を統治する権利がそれぞれ保障され、管理的な側面もフルで任され、外部の人間が加える修正に対しても交渉出来る。

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この8つの段階に当てはめることは一概には出来ないとは思いますが、市民参加のレベルを図るバロメーターにはなると思います。

あなたの身の回りの行政機関は、現在、どのレベルに位置していると思いますか?

また、どのレベルまで高めたいと思いますか?

そして、そのための行動をすべきなのは誰だと思いますか?

 

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