衆院選2012(17)【エネルギー】各党で温度差のある原発政策、実現度をどう見極める?

今回の衆院選で原発政策は最も大きな争点になっているようです。

自民と維新が脱原発に慎重な姿勢をとっており、つまり維持に近い立場です。「原発ゼロ」を政策に掲げる政党でも温度差があり、民主、公明、みんな、社民は脱原発を進める姿勢で、日本未来の党は卒原発、共産党は即時原発ゼロを訴えています。

まず、共産党の政策から見えてくるのは、具体的で十分な施策がなくても、「即時原発ゼロ」と言えてしまうところです。共産党のマニフェストをざっと見ましたが、それを実現する具体的な施策とアイデアが乏しく、やはりパフォーマンスでしかないのかな?という印象があります。

そして、「卒原発」という、次に短いスパンで原発ゼロにする姿勢を表明している日本未来の党ですが、昨晩の飯田哲也代表代行のUSTREAMでの会見を聞いて情報収集しました。

ただの脱原発と卒原発の違いについては自分も疑問に思ってたのですが、卒原発は、原発の再稼働をしない形で10年以内にすべての原発の廃炉プロセスをスタートするとのことでした。今後3年を「原発と電力システムの混乱期」と位置づけ電力システム改革を集中的に断行し、その間にかかる火力発電の燃料代(年間3.6兆円増しと言われている)が急激に電気料金に上乗せされないように「交付国債(結局、税金から支出)」で一時的に賄い、4年後から少しずつ電気料金に上乗せして返していくそうです。(その他、詳しくは、東京新聞の「発送電 3年で分離 未来が「卒原発」工程表」でご確認ください)

今までの常識では、原発の再稼働なしに10年以内で廃炉というのは、到底考えられませんでした。党内でも、飯田哲也代表代行が工程表をまとめるまでは、嘉田代表でさえ、適切な範囲で再稼働を容認していたそうです。アイデアは優れていると思いますが、新政党であることや、党内での合意形成プロセスが不十分な状態での船出で、実現度はどの程度なのか?また、共産党のようにパフォーマンスでしかないのか?など、慎重に判断する必要があります。

2009年の政権交代後の民主党と同じ轍を踏むことはもう許されません。当時の民主党も、政策のアイデアは聞こえが良かったし、各政策の工程なども具体的にまとまっていました。しかし、ほとんどの重点政策が実現せず、工程通りに進まないまま、政権が他へ移ろうとしています。恐らく、日本未来の党が政権与党になったとしても、政策が工程通りとはほど遠く行われれば、どこかで支持率は失速してまた政権交代が移ってしまう可能性が高いです。

日本未来の党が卒原発をするのに足りないのは、国民の幸福度を落とさずに減電していく未来の形を示すことと、支持者のそれ相応の覚悟だと思います。技術革新や電力システム改革、国民の急激な負担を抑制する仕組みなど、アイデアは最も優れていると思いますが、10年以内に原発の再稼働なしに原発ゼロにするには、この「国民に負担を感じさせない減電のアイデア」と「支持者の覚悟」の2つも必要だと個人的に思っています。そして、今のところ、その2つとも不十分に感じています。

個人的には、今最も求められるのは、無難な範囲でも長期で任せられる安定政権だと思っています。いくら耳障りの良い政策を並べても、現状の国民の民主主義の成熟度的に、「一期で政策を実行出来なかったとしても長期で政権を任せてもらえる」という甘い考えは捨てた方がいいと思っています。

本当に「卒原発」を実現したいなら、支持者が積極的に、「国民に負担を感じさせない減電のアイデア」を「自分たちへの覚悟」として示していく必要があります。減電した時の全く別の暮らしの可能性を示し、自分たちの足下から具体的にどう行動していくのか?

「減電した時の全く別の暮らしの可能性」については、自分の案を「衆院選2012(6)【エネルギー】脱原発派の方へ伝えたいこと」に書きました。これはまだ穴だらけだと思いますが、各自でこういったイメージを積極的に示す必要があると思うんですが、今のところ、そういった国民側からの積極性が感じられません。

また、「自分たちの足下から具体的にどう行動していくのか」について。うちの母親は、原発はすぐにやめた方がいいと言うけど、うちのマンションの屋上に太陽光パネルを敷き詰めようと提案しても難色を示すし、僕がローンで買うと言ってもやりたがりません。うちの母親のように。原発ゼロを叫んでも、自らリスクを冒せないなら、話にならないと思います。

政党に足りない部分は支持者が補っていく、という意思や覚悟が見られなければ、残念ながら、見込みはないと思います。原発ゼロへのスパンが短い政党ほど、この点を厳しく見て行く必要があると思っています。

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