衆院選2012(27)【地方分権】隠れた争点「地域主権型道州制」について

いよいよ、投票日が3日後に迫ってきました。

この連載では、今回の選挙の争点のされている「エネルギー政策」、「TPP」、「消費税」、「憲法改正」、また「復興支援」についても触れてきました。

今回、あまり活発に議論されていないようですが、個人的に、今回も重要な争点になるべきと思っているのが、「地方分権」です。

この連載の12回目「地方から国会へつながる「ネットワーク性」という財産」というエッセーで、現在の国会偏重の中央集権構造には、元々、無理があるということを書きました。

中央集権構造を機能させたいなら中央が地方とフラットなネットワークでつながるべきです。それが出来ないなら、中央で担うべき役割を最小限にして他は地方に主権を渡し一任するべきです。

出来もしないのに、何でも国会で担おうとして、結局出来ずに停滞しているのが、今の日本の姿だと思います。「それでも活躍出来る優秀な政治家が日本にいない」というよりは、「元々、誰にとっても無茶なことをやらせてしまっている」状態なんだと思います。

地方分権の具体的な形として「地域主権型道州制」があります。政策シンクタンクPHP総研さんのページからの説明を引用します。

道州制とは、全国を10程度の道州に再編し、国の役割を主に外交・安全保障などの対外的な仕事に純化し、産業や生活など内政に関わる仕事の大半を道州に移すというものです。
なかでも「地域主権型道州制」とは、国が内政全般に関与してきた中央集権体制を廃し、国、道州、基礎自治体(市町村)が明確な役割分担のもと、それぞれが独立した権限とみずからの税財源をもつことで、地域が自由で独創的な活動をできるようにするという「新しい国のかたち」を意味します。
この「地域主権型道州制」は、単なる都道府県合併でもなければ、国の出先機関を統合する国主導型道州制とも異なり、中央政府の解体再編と地域政府の確立を目指すものです。ただし、アメリカのように各州が独自に憲法や軍を持つ連邦制とは違い、現行の日本国憲法の中で実現できる改革なのです。

現在の都道府県という単位は、明治時代の人口動態に合わせて設計されたものであり、その後の目覚ましい人口増加を経験した現代日本には無理がある制度になっているのは確かだと思います。基礎自治体を束ねる単位としては1000万人程度が好ましいようで、この法則に当てはめると、日本の人口を1.2億人とすると12当分に分割される形になります。

当然、中央での役割が減る分、国会議員の定数も減らせます。日本維新の会が「国会議員の定数半減」なんて刺激的なことを言っていますが、それほど無茶なことを言っている訳ではないと個人的には思います。国としては、少数精鋭で外交・安全保障などの対外的な仕事に集中してもらえれば、今の国会議員の中でももっと活躍出来る人はいるのではないでしょうか。

地域主権型道州制に特に熱心なのは、公明党、日本維新の会、みんなの党。日本維新の会の結成は、地元大阪の地方政治を進める上で大きな障害になっていた「中央集権構造」や「国と地方の二重行政」をどうにかすることにもあったようです。また、公明党は、1990年代から一貫して道州制の導入を訴えているようです。

個人的には、この地域主権型道州制を導入して、州の中に都市圏(生活圏)がある場合は都市圏政府を設けて、国家→州→(都市圏)→基礎自治体の順に、権限を出来るだけローカルに落としこんでいくオレゴン州ポートランド方式がいいと思います。

ポートランドのように都市圏に政府機能を持たせるケースは珍しいようですが、都市圏という単位で具体的に計画を進めるべき分野はけっこうあります。「交通」や「土地利用」、「地域経済開発」、「環境」などがそうです。これらの分野は、都市圏とその他の地域では事情が大きく変わり、基礎自治体ごとの計画では極めて非効率なものとなってしまいます。

これだけ考えても、中央集権構造を見直し、現在の人口動態に合わせた適切な範囲で適切な役割を柔軟に割り振っていくことの必要性を感じてもらえると思います。政治を国民の手に近づけていくためにも、地域主権型道州制のような抜本的な構造改革が必要で、今回誕生する政権でも大きく改革を進めて行ってもらえることを願っています。

Similar Posts:

コメントを残す