「経済」カテゴリーアーカイブ

原発にも化石燃料にも依存しないライフスタイルへ

青春18きっぷ+5Linksの九州旅行で、再稼働を準備中?の川内市内にも立ち寄った。たまたま通っただけだけど、いろいろ考えることがあって、とても複雑な気持ちになった。

「安全保障、コスト、温暖化対策より絶対的な安全性が大切と考えるか、事故のリスクはあるが、原子力を利用するメリットが大きいと考えるか」

この記事のすべてに同意する訳ではないけど、原発の再稼働に反対する上でも目を逸らさずに対処しなければならない問題や、実際に自分たちの考え方や行動を変えなきゃいけないことが分かる。この問題は白黒付けられるものではなくて、やっぱりグレーゾーンで議論して現実的な突破口を見つけていくべきだ。

もちろん、僕は原発推進には反対だけど、原発の代わりに化石燃料が燃やされて地球が温暖化することにも反対。どちらも未来の世代を危機に晒すことに変わりはない。

川内原発の再稼働に関して、英国の駐日大使が英国の公式サイトの中の原子力発電所の再稼働に関して:駐日英国大使からのメッセージの冒頭で、下記のように見解を表明している。

英国政府は、この度、九州電力株式会社が原子力規制委員会と鹿児島県の承認を得て、川内原子力発電所1号機の再稼働を決断されたことを歓迎いたします。

必ずしも、英国が正しい考えを持っているとは言わないが、日本ではすっかり忘れ去られている感があるけど、温室効果ガスによる地球温暖化などの気候変動の対策で、日本は完全に後退している。今、気候変動の対策で、日本がどのような期限と目標を掲げているかを意識している人も少ないだろう。

このことだけ考えても、原発を止めれば解決なんてことはあり得ない。原発も温暖化もやめるには、僕たち自身がライフスタイルに革命を起こし、人々の行動に影響を与えていかなきゃいけない。

問題の根源は、エネルギーを爆発的に消費してる人たちが、エネルギーを浪費するばかりで、十分な価値を生めていないことだと。浪費してるのが誰かというと、紛れもない僕たち。僕たちがライフスタイルを劇的に変えないと話にならない。

実は、個人的に、2012年の段階で、「脱原発後の持続可能な暮らし」の現実的なイメージを記事にしてあった。

そこでは以下の4つの条件を示した。

  1. 生活圏の分割・縮小
  2. 住宅を含めたスペースやモノの他人との共有
  3. エネルギーや資源の価値的利用(浪費や贅沢には課税)
  4. 情報や芸術などモノより「価値」を交換する経済

このアイデアが必ずしも正しいとは限らないけど、反原発の人の声の大きさやデモの大きさの割には、こういった原発のない現実的なライフスタイルのイメージや、反対活動とは別の自発的なライフスタイル変革の行動が見えてこないのが残念だ。「脱原発」だけが目的や目標になってしまうのも不十分だし、当事者意識がなく実際の行動が伴わない反対活動も社会に混乱を招くだけだ。

個人的には、元々、電気やガソリンなどのエネルギーを浪費する社会は変えないといけないと10年位前から意識して行動してるから、「エネルギーの効率的・価値的利用による減電」という目標はブレない。その目標から言えば、原発への依存も当然なくしていく必要が出てくる。

枝葉の問題とは言わないけど、原発の問題も数ある問題の一つ。これをシングルイシューとして議論を進めるのではなく、反対活動をするにも、できる限り多くの関連する問題を包摂し、目的や目標をさらに高いステージに押し上げて、現実的な議論をすること。

もっと大事なのは、自分自身が体を張ってでも、身を切っても、行動やライフスタイルをあるべき姿に近づけていく必要があるのではないだろうか。

 

東証一部上場企業のIT業務を一人で担ってみた

自慢っぽくなっちゃうかもだけど、去年末から東証一部上場の日本発のグローバル企業に勤めている。日本では350人ほど、グループ全体でも500人ほどと規模はそれほど大きくないけど、最近まで、三ヶ月間くらい、この企業の日本の唯一のIT担当としてほとんどのIT業務を担っていた。

間違っても、こんな大変なことはやりたくなかった。元々、一人でやりくりしていた前任者がいたんだけど、大阪に研修に行った段階でその前任者が退職することを聞かされ、それから怒涛の引き継ぎ劇が始まり、毎日のように新しいことが出てくるような手探り状態の中、今まで奮闘してきた。

15年くらい前に新卒社員として入社した最初の企業では、同期の中で明らかに一番使えない社員だった自分が、こんな重責を任されるなんて、自分でも信じられない。自分が、新聞の株価欄の自社の株価の変動くらいは影響力を持っているということだと思う。(主にヘマをした場合)

この企業は去年末(僕が入社した頃)にヨーロッパの企業の一部を買収して子会社化してグローバル展開を進めているだけじゃなく、去年、新入社員を40人近く採って今年もそれくらい採用。中途社員も毎月着実に増えていて、その分のパソコンの手配やセットアップは当然IT担当の仕事。

日本の社員が400人を超えるのは時間の問題だけど、彼らからのIT関連のトラブルやリクエストを受けるのもIT担当。クライアント企業ごとに特殊なアプリケーションや暗号化通信の仕組みを持っていて、それもトラブればIT担当に問い合わせが来る。

サーバーやネットワークのトラブルも対処する必要がある。普通に調子悪くなるし、どこの業者に聞いていいやら判断が難しいことばかりだし、業者が見てもお手上げな場合もあって、代替え手段を講じたりや応急処置を施さないといけない。

また、ユーザーIDや管理アクセス権の管理などの実務に加え、ユーザーからの様々なIT関連のリクエストの承認プロセスに技術的な面での判断で参加する必要がある。

クライアント企業の監査もよく入るし、上場ステータスを維持するために、自社内でもいろんな監査をする必要があり、その都度、物理的に案内をしたり、サーバーのログを提出したり、所定の書類に記入して提出し、必要に応じて改善案を検討する必要がある。

さらに、半期に一度、IT計画書を作って予算を数値化しなきゃいけない。これは、プロジェクトごとに必要な予算を割り出すために、業者と交渉して出来る限り正確な数字を入れ込む必要がある。

そして極め付けが、海外の子会社からの要求に応え、グローバルの方針を本社として決断するために、上長に判断材料を提供する必要がある。しばらく知らんぷりしてたけど、結局、グローバルのIT戦略とポリシーをレビューして海外のIT担当と連携して進めるはめに… IT戦略が決まれば今度は導入するシステムを検討して実務に入る。

まだまだあった。これこそ極め付けなんだけど、ITも総務の一員で、総務の業務も手伝う必要がある。全社研修の時には電話番をやり、郵便の振り分けや、納会などのイベント準備なども手伝う。

しかも、僕の勤務地は東京支社であって、大阪本社にはIT担当が不在という危機的な状況だった。当然、ほとんどのITシステムが大阪本社にあって、システムにトラブルが発生しても物理的には何も出来ない。

間違いなく最低三人はいないと担いきれない業務量ではあるけど、これを三ヶ月間くらい一人でやってみた。当然、僕ひとりで担い切れるはずはなく、ITシステムが一部しばらく止まってたりもしたし、副社長への対応も一ヶ月以上待ってもらったりもしたし、グローバルの対応は海外の担当から突かれ続けている…汗

今はようやく二人目のIT担当が入って二人体制になったんだけど、これを3ヶ月くらい一人で担ってみて、自分はかなり仕事が出来るんだと思えた。この業務を通して成長出来た部分もあるけど、それ以前に普段の生活に対する姿勢や行動などが仕事をこなす上でも活きてきているんだと感じた。

今でもサラリーマンはなるべく避けたいとは思ってるけど、今回の会社では自分の力を試す良い機会になってるのかもしれない。この経験は無駄にはならないはずだし、その後の自分のキャリアへの糧にしたい。

今年に入ってからの売電収入額

1月分 12/18-1/19(33日間)
2711kWh
105,403円

2月分 1/20-2/18(30日間)
3016kWh
117,262円

去年の12月には8万円を切ってしまったんですが、今年に入って持ち直してきました。

何やら、3/31までにソーラーシステムの増設をすると、うちが導入した時の売電価格(1kWあたり37.8円)で増設出来るらしい。その代わり初期導入時から20年間という計算になるらしい。まぁ多分もう増設はしないと思うけど、見積もりを見てみたいな。

ちなみに、去年分の報告はこちら。

導入から8ヶ月足らずで売電収入が100万円超え!!!
bokudeki.me/autonomy/technology/101408

横浜ビジネスグランプリ2015のファイナルを観に行ってみた

横浜ビジネスグランプリ2015のファイナル観に行ってきました。
結果が以下のFBページに載ってます。

<ベンチャー部門グランプリ>
「野菜生産の破壊的イノベーション」
(株式会社セプトアグリ 谷本 征樹氏)

<学生部門学生起業家賞>
「治安情報アプリ」(吉岡奈穂子氏)

<F-SUSよこはま賞>
「二人目の出産をサポートする保育サービス」
(株式会社フェアリーランド 菊地 加奈子氏)

<起業アイディア賞>
「TOCCOでロコモフリー~健康大国横浜~」(佐川 遼氏)

<ソーシャルアントレプレナー賞>
「企業の成長支援による女性キャリア支援事業」
(株式会社Brilliant Mother 三輪 恭子氏)

<オーディエンス賞>
「中小企業の広報プラットフォーム」
(株式会社オンリーストーリー 平野 哲也氏)

今回のグランプリは農業関係。従来の農業に比べるとそれほど事業への投資額が少なうとはいえ、やはりハードの開発にはリスクがつきもの。プレゼン力を使命感と本気度でカバーしたようなグランプリ結果だったかも。

で、僕が密かに狙っていたソーシャルアントレプレナー賞は女性支援の事業計画だった。

個人的には、オーディエンス賞を受賞した「中小企業の広報プラットフォーム」の事業計画にひどく共感した。去年、転職活動をしている時に、地元にどんな中小企業があるのかウェブで調べようと思ったけど、現状では調べようがないことに気づいた。そういったことを踏まえて、就活中の学生が中小企業の社長へインタビューして周り、それをウェブサイトに蓄積していくというアイデアは僕も持ってたんだけど、実際にやってる人がいて嬉しかった。

僕は初応募で書類審査で撃沈してしまったのですが、実際のファイナリストの事業内容やプレゼンを見てみて、審査には以下の特徴があると感じた。

  • すでに起業して株式会社として事業を開始している方が本気度が評価される?(ベンチャー部門のファイナリストで個人応募は一人だけ)
  • 商品のプロトタイプがあり何らかの実績がある
  • 既に他のビジネスアイデア大会でも賞を取っている
  • うまく行ってないにしても試行錯誤の上に課題が明らかになって方向性が明らかになっている
  • 事業の必要性ややる明確な根拠がある
  • 壮大な事業計画は必要なし。アイデアの質と同じくらい、行動力と本気度が求められる
  • ベンチャー部門はソフトウェア開発よりリスクの大きいハードウェア開発の方が本気度を認められそうな感覚があった

こういった雑感を踏まえた上で、今回、書類審査さえも通らなかった理由はある程度把握できて、その部分は改善はしていけるとは思う。

次の投稿では、その課題点と改善策について書いていく予定。

30kw超え産業用ソーラー発電システムがついに動き出した!

長年の念願だった、産業用のソーラー発電システムが、今日無事に東電の系統連携を終えて、実質的に動き出しました!

10kw以上が産業用となるんですが、発電した電気を20年間東電に売ることができるんですが、今回導入したものは何と30kw超えの大容量のもの!

導入した機器のメーカーは評判の良いソーラーフロンティアのもの。

ほとんどはうちの家族の持つ資源のおかげなんですが、僕が言い出さなかったら実現することはなかったと思います。

とりあえず、パネルに囲まれて記念撮影。

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たまたま湘南平に行ったので、ズームして撮ってきました。

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これから毎月、発電量と売電価格を公表して、いろんな角度から導入するメリットを研究して行こうと思ってます!

オレゴン州ポートランドが持続可能な先駆都市として大々的に紹介されたBS1「スペースシップアース」、今ならWEB上で観れます!

僕がまちづくりの勉強のための留学地に選んだオレゴン州ポートランド。全米1住みやすい都市として知られ、人口減に悩む都市が多い中、特に若者が続々と引っ越してきてます。これまでの人生で地元以外に3年以上住んだのはポートランドが初めてで、第二の故郷のように特別な思い入れがあります。

そのポートランドが、NHK BS1の「スペースシップアース」という番組で、持続可能な先駆都市として大々的に紹介されました。この番組は4回に渡って放送されていて、ポートランドは最終回の中で最も時間を割いて紹介されました。その放送の全編がここで観れますので、ぜひ観てみて下さい。(いつ配信停止になるか分からないので、お早めに!)


スペースシップアース4 「新たな海図」を求めて 投稿者 tvpickup

この番組で語られているポートランドはまだまだ一部に過ぎず、僕が3年半も現地で暮らしても知らないことだらけで、さらに次に何が起こるか、どんな驚きが待ち受けているのかが全く予想出来ないところが、ポートランドの一番の魅力ですね。

ポートランド時代大変お世話になり、今も現地で塾を経営するKoichiさんもブログでこの番組について紹介されてました。→号外:ポートランドが画期的な都市としてテレビで紹介されました!

ぜひ、この機会にポートランドの取り組みについて多くの人に知ってもらい、自分が住んでいるところでまちづくりをする参考にして欲しいです!

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【理想の経営】シリーズ 全8記事の総集編

経営に携わったことのない筆者が語る、あんまり説得力のない「理想の経営」シリーズ。

最初は3記事くらいで終わるはずだったんですが、ヒートアップしてしまって、結局、全部で8記事も書いてしまいました
いつもは、ヒートアップするのはいいけど、途中で燃え尽きてしり切れトンボになってしまうんですが、今回はやりきりました!

  1. 小規模でも自分が経営者になる経営
    (1)ポートランドのフードカート
  2. 社員が成長することによって伸びる経営
    (2)バンドマン社長・河野 章宏さん率いる「残響」
  3. 眠っている労働力を内外から総動員してみんなで得する経営
    (3-1)家入一真さんのLivertyのようなケース
    (3-2)眠っている労働力を生かす(既存企業からのアプローチ)
  4. 手付かずの社会的ニーズを充たすこと自体が商売になる経営
    (4-1)生意気ながら、サトマン氏の経営理論への批評を書きます
    (4-2)「社会貢献」をビジネスにする
  5. カリスマ性もオーラもリーダーシップもないのがむしろ吉と出る経営
    (5-1)「自分主導」より「メンバー主導」で、「思い通り」以上の「想定外の成果」を狙う
    (5-2)ファシリテーション・フォロワーシップによる経営革新

理想の経営(5-2)ファシリテーション・フォロワーシップによる経営革新

経営に携わったことのない筆者が語る、あんまり説得力のない「理想の経営」シリーズ。
今回で最終回になる予定です。
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前回の記事では、経営者などリーダーに最も必要な資質は「メンバーの可能性を拓く能力」だと書きました。

 関連するトピックに「ファシリテーション」と「フォロワーシップ」というものがあります。
この2つに共通するのは、「自分主導」ではなく「メンバー主導」だということ。
「メンバー主導」で、「思い通り」以上の「想定外の成果」を狙うということです。

自分の思い通りに事が進まないのは脅威でもありますが、同時に「思い通り」以上の結果をもたらすこともあります。
なので、あえて「自分主導」を捨て、「メンバー主導」に切り替え、「メンバーの可能性を拓く」のに専念することで、想定外の良い結果を狙う経営者がいてもおかしくありません。

ファシリテーション

近年、「ファシリテーター」という立場の人が増えてきているように感じます。
議論の場において、ファシリテーターは、議長のように特別な権限を持っている訳でなく、会議への参加者それぞれのいいところを引き出し、交流を促進することによって、本人が予想もしなかったような成果を導こうとする人。

ファシリテーター自身に、突出したリーダーシップ力やアイデア力が求められる訳ではありません。
むしろ、おっちょこちょいで未成熟な「普通の人」がいいらしいです。

つまり、ファシリテーターは、初めから、議論の主導権を握ろうとも、思い通りにことを進めようとも思ってません。
とにかく、会議への参加者それぞれの一番いいところを引き出し、議論を深めるために、あらゆる手を尽くす人。

こういったファシリテーションの手法を企業経営などに応用させたら面白いのではないかと思います。

フォロワーシップ

「フォロワーシップ」とは、自分がグイグイと引っ張っていくのではなく、部下(選手たち)に自ら考えさせ、意見させ、行動させて組織を活性化していくマネジメント手法。

このフォロワーシップの実践家として有名なのは、サッカー岡田武史氏とラグビー中竹竜二氏です。
参考:サッカー岡田武史氏とラグビー中竹竜二氏、2人から学ぶ「フォロワーシップ」というマネジメント手法

岡田さんは、2010年W杯でベスト16という成績を残した日本人監督しては名将中の名将。
中竹さんも、早稲田大学ラグビー部を2年連続で優勝に導いている凄腕監督です。

この二人に共通しているのは、選手たちに自ら考え行動させる余地を与えることに主眼を置いていること。

それをするのに、カリスマ性やほとばしるオーラなどはむしろ邪魔になる。
選手たちの可能性を出来る限り拓くために、自身の「未成熟さ」さえも利用する。
精神的支柱であるべき監督が「監督に期待するな」と選手に言い放つ。

Presidentのサイトに掲載された「日本一」早稲田ラグビーは フォロワーシップの勝利であるという記事を読んですごいと思ったのが、中竹監督は、チームのキャプテンにさえも未成熟さや理不尽さを利用させるそう。
キャプテンは自ら「チョ~他力本願」という姿勢で、初めから仲間たちに依存しまくる前提でいる。
そんなリーダーシップ力のないキャプテンを尻目に、メンバーは一人立ちするようになる。
現に、本当の意味でリーダーシップを取っているのは、キャプテン以外の選手たちだそうです。

リーダーシップを取るべき人は、普通であればキャプテンの一人だけのはずですよね。
でも、中竹監督のチームでは、実質的にリーダーシップを取っているのはキャプテン以外のメンバー数人なんです。
しかも、監督もリーダーシップを取る気がない。笑

「フォロワーシップ」と呼ばれるこの型破りなチーム運営は、確かに早稲田大学ラグビー部を2年連続優勝に導きました。

もちろん、強力なリーダーシップ力を持ったトップがワンマンで残した実績の方が圧倒的に多いはずです。
ただ、このフォロワーシップに対して何よりも希望を感じさせるのが、仕掛け人である監督や経営者が特別な能力を持っている必要がないということ。

このフォロワーシップの哲学を身につければ、カリスマ性やオーラがない僕にもあなたにもきっと出来る!

こうやってあらゆるグループや組織の経営方法が変わっていけば、生産性も飛躍的に向上すると思うし、何より、想像もしなかった新たなイノベーションが各地で次々と生み出されるようになるんじゃないかと思います。

「理想の経営」シリーズバックナンバー

理想の経営(5-1)「自分主導」より「メンバー主導」で、「思い通り」以上の「想定外の成果」を狙う

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経営に携わったことのない筆者が語る、あんまり説得力のない「理想の経営」シリーズ。

突然ですが、みなさんは経営者などリーダーに欠かせない資質とは何だと思いますか?

「リーダーシップ力」
「カリスマ性」
「決断力がある」
「顔が広い」
「先見性」

いろいろあると思います。
個人的には、ある資質があれば、ここに挙げたものはすべて必要ない(人並みでいいという意味)と思ってます。

それは、「メンバーの可能性を拓く能力」です。

それさえ出来れば、リーダーは無能でもだらしなくても、意外と組織はうまく回ったりするんじゃないかと思います。
むしろ、リーダーが万能でないほうが、メンバーは力を発揮やすいかもしれません。

関連するトピックに「ファシリテーション」と「フォロワーシップ」というものがあります。
この2つに共通するのは、「自分主導」ではなく「メンバー主導」だということ。

経営者が「自分主導」で経営を行う場合、想定するのは自分の「思い通り」の結果なんだと思います。
でも、果たして「思い通り」というのはベストな結果でしょうか?

一ついえることは、この場合の「思い通り」は、たかがリーダー個人の想像力の範囲内のベストのことですよね。

それに対して「メンバー主導」というのは、リスクがある反面、想定外の成果が得られる場合もあります。
つまり、リーダーの「思い通り」以上の結果になる可能性が期待できるということです。

経営者がこの点をどう考えるかで、組織は大きく変わってくると思います。

次の記事では、この2つについて詳しく書いていきたいと思います。

理想の経営(4-2)「社会貢献」をビジネスにする

しばらく中断していた「理想の経営」シリーズ…

前回の「理想の経営(4)生意気ながら、サトマン氏の経営理論への批評を書きます」の続きです。

前回の記事で、サトマン氏の「お客を増やす」「収益を増やす」ということが大部分を占めていた講演内容について、生意気ながら批評をさせて頂きました。その上であまりにも忘れ去られていた点が「社会貢献」という視点だということも指摘させて頂きました。

そこで、企業の活動で収益を上げながらどこまで社会貢献が出来るかを「グラミン銀行」の例で見て行きたいと思います。

Prof. Muhammad Yunus visit borrower loan activities

グラミン銀行は、マイクロ・クレジットという手法で、微小なローンを貧しい人(特に女性)に貸すことにより、国内の貧困削減に貢献してきた。

ビジネスのターゲットは、従来の銀行からは相手にもされなかった貧しい人たち。
微小なローンを元手にそれぞれで極小の起業を促し、あらゆる点から支援し、ビジネスを成功させることによって高い返済率を維持している。
そして、結果的に企業としての収益が上がり、経営的な面でもビジネスが成り立っている。

こういった取り組みが評価され、創設者のムハマド・ユヌスさんとグラミン銀行が2006年にノーベル平和賞が授与された。

以下は、Web GOETHEの滝川クリステルさんとグラミン銀行総裁のムハマド・ユヌスさんの対談で紹介されていたグラミン銀行の取り組みについての紹介文。

「慈善事業ではない、真の貧困からの脱却を目指したもの。特筆すべきは現在、800万人の顧客を有し、その97%は女性で、彼女たちが銀行の株主でもあるこ と。また、融資を受けた人々の子供たちの識字率はなんと99%に及ぶ。弱い立場にある女性の自立と生活向上を可能にしたシステムの根底にあるもの、それは “信頼関係に基づいた、徹底した決意の共有”だ。グラミン銀行から融資を受けるためには5人組を作り、メンバーはお金を借りる前にグラミン銀行の規則や考 え方を学ぶ。その後も、グループリーダーが活動報告や行員との交流を定期的に行う。この共同体としての原動力が、システム成功の重要なカギといえる。」

一人一人の立ち上げるビジネスは小さいかもしれないけど、今や、バングラデシュでは、考えられないほど多様な職種が存在し、バングラデシュの社会を支えてる。道端でただ物乞いをすることしか出来なかった人々が、バングラデシュ社会の再建の役割をしっかり担っている。

ここで重要になってくるのは、グラミン銀行は慈善団体ではなく、あくまでビジネスを行っているという点。
それも、とても儲かっている。

最近は、BOP(bottom of the pyramid)ビジネスなんて言葉が出回っていて、「ビジネスターゲットとしての最貧困層」という可能性が考えられるけど、こういった見方は以前はほとんど存在しなかった。

例えば、現存する多くの銀行は、未だにターゲットのスコープが、所得や住居などの「ある一定の信用のある層」に限られている。つまり、ビジネス的に「堅い」ところしか相手にしないということ。

そういった従来型の企業の傾向性から、行政では手が届かず、企業からは相手にされずに手付かずの領域が、社会の中で拡大していってしまった。

NPO(非営利団体)はそのギャップの中に埋もれたニーズに対応するために生まれたが、「非営利」という縛りが存続を難しくさせている面があった。

そこで注目され始めたのが、グラミン銀行のような社会起業家たち。

社会起業家も、一般企業と同じ土俵に立ち、同様の競争原理にさらされる。一般企業との違いは、手付かずの社会的なニーズを満たすことで収益を上げようとする点。その上でいくらでも利益を追求出来る。

本来の企業の存在意義は、まさにこの「社会的企業」の姿のはず。なのにこういった新たな言葉が生まれる背景には、現存する多くの企業の正しい使命感の喪失があるのだと思う。

以前紹介したサトマン氏の講演でも痛いほどそれを感じた。
彼の講演内容からは、「手付かずの社会的ニーズを充たす」という部分の強調があまりにも貧弱過ぎた。
現行の多くの企業の「CSR(企業の社会的責任)」も、取って付けただけのおまけ的なものでしかない。

グラミン銀行は、最貧困層をターゲットにして誰の眼中にもなかった社会的ニーズを充たし、ビジネスを成功させた。
そして、「BOPビジネス」という概念が広まり始めた昨今、いよいよ、社会的起業の可能性や意義が高まってきている。

そういった中で、尚も、「社会貢献」の意識が薄くただ利益を追求するだけの企業は淘汰されていくべきだし、何より、僕たち消費者が賢くなり、企業を選ぶ目を養わなければいけないと思う。

次回に続く…