ハイチの例で示す「米国の軍事介入や自由貿易で国が滅びる可能性」

今のオバマ政権がどうなのか分からないけど、アメリカは、世界のほんの一握りの人々から構成される「国際社会」の下での軍事介入や、不公正な自由貿易により、いくつもの国を破壊してきたのは事実。全部の詳細は知らないけど、ハイチの例を書いてみようと思う。 

ハイチ①西半球最貧国と言われるハイチ。2008年に起こった食料危機の時、人々が泥で作ったクッキーを食べている写真が話題になった。これは大地震が起こる前のこと。穀物価格の高騰により、米の輸入が困難になったからだ。これは、ハイチの人々が怠け者だったからなのだろうか?自己責任? 

ハイチ②ハイチは、元々、米も含めて自給率90数パーセントを誇る食料自給国だった。そんな国が、食料輸入依存国に変わってしまった。その輸入の7割はアメリカから。この急激な変化には、アメリカとの自由貿易開始が大きく影響している。 

ハイチ③「自由貿易」自体は良いも悪いもない。それが悪く働くのは、「悪意がある」又は、「対等な立場で行われない」場合だと思う。ハイチの場合は、明らかに対等な立場で行われていなかった。明らかに、アメリカが有利なように進められていった。結果として、ハイチの主食生産農業は破壊された。 

ハイチ④アメリカから自由に輸入された米が、ハイチの主食生産農業を破壊しつくした。それも、アメリカの圧力により、ダンピング(公正な競争を妨げるほど不当に安い価格で商品を販売すること)されていた。結果として、それまでのハイチの食生活が、アメリカ産の米食一辺倒に変わっていった。 

ハイチ⑤ハイチが食料輸入依存国に成り下がったところで、食料危機が襲った。それまではアメリカから輸入出来ていた米が、輸入出来なくなった。その時にはもう既に、ハイチは食料を自給する能力を失っていた。結果的に、泥のクッキーを食べるしかなくなったのだ。 

ハイチ⑥「米国のコメは大量の補助金なしでは競争力をもたない。貧しい国が米国との競争を強制されるのはスキャンダラスなことだ。もっと悪いことに、彼らは安値輸出から自らを護る機会を否定される」オックスファム・インタナショナルの”貿易を公正に”キャンペーンを率いるフィル・ブルーマーの言葉 

ハイチ⑦アメリカとハイチとの間で自由貿易が始まったのは1995年。長いアメリカの支配から、「ラバラス」という名で知られる草の根運動により初めて民主的に選ばれた元神父のアリスティード大統領が、軍事クーデターにより倒され、国連の承認の下、多国籍軍の介入まであった年の翌年のこと。 

ハイチ⑨クーデターを起こした軍事政権は、アメリカに名目上の経済制裁を受けるが、秘密裏に援助を受けていた。しかし、この軍事政権が長続きしないと見たアメリカは、軍事政権とアリスティードとの間の条件付きの和平合意提案したが、軍事政権がこれを拒否した。 

ハイチ⑩結果的に、国連の承認の元にアメリカは軍事介入の結果、軍事政権を倒し、アリスティードを「条件付きで」大統領に戻した。その条件が、関税をほぼ撤廃する「自由貿易政策」だったのだ。 

ハイチ⑪アメリカの理不尽極まりない圧力に、時折妥協しながらも屈しなかった大統領は、2000年の選挙で、4分の3の票を獲得し、アメリカの推す候補を引き離し、圧倒的な勝利で再選することになる。しかし、国際選挙監視団が選挙の公正さを保証したのにも関わらず、アメリカは選挙に不正があったと主張し、裏で軍事介入を始めた。 

ハイチ⑫アメリカは、前回のクーデター時の反政府勢力含む反アリスティード派に武器と資金の供給をし、ドミニカの反乱勢力を後押しし、ハイチを攻めさせた。この2つの勢力が合流し、結果的にハイチの首都は制圧された。結果的に、アリスティード大統領は拘束され、辞任に追い込まれる。 

ハイチ⑬ハイチは、西半球の最貧国と言われている。泥のクッキーでも食べなければ生きていけないほどの貧しさだ。それは、ハイチの人々が怠け者だからなのか?いや、ハイチの社会の崩壊は、アメリカ都合の軍事介入や、これもアメリカ都合の不公正な自由貿易によるものだったのだ。 

参考URL: 
•貧しい国のコメ農民の関税保護をー国際開発NGOが新報告 ow.ly/7q8YU ハイチの真相と米国の介入 
•ラムゼー・クラーク t.co/jKnOquBH 
•泥を食べる人たち ow.ly/7q900 
•ハイチ もうひとつの見方~クーデターの裏に見えるアメリカの影 ow.ly/7q90u 

このハイチの歴史は、現オバマ政権の前のことであり、そのまま今のTPPの議論に当てはまるかは分からない。だけど、悪意があり、対等な立場にない不公正な自由貿易は、本当に国を滅ぼすことがあり得る。アメリカの目的が、悪意なく、共栄して中国に対抗するという目的なら、問題ないと思うけど。

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