#033. ナチス vs 奇術

maskerin

奇跡体験アンビリバボーで興味深い特集が放送されていた。
第2次世界大戦時に、ナチスに立ち向かったジャスパー・マスケリンというマジシャンの話だ。
驚いた事に、このマジシャンがいなかったら、連合軍はナチスに打ち勝つことが出来ず、その後の世界が大幅に変わっていたかもしれないという。
僕は、歴史を良く知らないから、この話は全く聞いたこともないし、全く思いもよらなかった事なので、かなり興味深かった。


ジャスパーは、地元イギリスで知らない人はいないという程、有名なマジシャンだった。
彼は、元々軍人ではなかったが、知人の妻がナチスに理不尽にも殺されてしまった話を聞き、入隊を決意する。
周りからの「危険だ」という声にも耳を貸さずに。

この時、彼は37歳。
徴兵の年齢制限を過ぎていたが、何とか10代の若者達に混じって軍人として0からの出発を果たす。
入隊直後、古い規律に支配されていたイギリス軍の中では、彼の奇抜な発想は聞き入れられず、彼は機会を窺うしかなかった。

そんな時、陸軍指令の長官が視察に訪れた。
彼は、チャンスとばかりに長官に不意打ち気味にマジックを披露した。
日用品で脅し、これだけは絶対に死守せよとの指令が出ていた武器格納庫を消して見せた。
そのトリックは現在も解き明かされていないらしい。。。

長官は、彼のマジックに興味を持ち、彼にカモフラージュ専門部隊、その名も”マジックギャング”を任せる事になる。
彼等は、数々の大掛かりで奇抜なマジックを駆使し、ナチスドイツ軍を翻弄していく。
彼等は、港を隠し、1000台もの戦車を100km先の場所にほとんど無傷で運んだ。

そして最後には、物資供給の生命線であった最重要拠点のスエズ運河の戦いがマジックギャングの手に託された。
彼等は、武器も使わずに数100機の戦闘機を撃退した。

彼のマジックはどれも完璧で、現在の戦争にもその手法が取り入れられ、映画等でもその考え方が使われ、現在のマジシャンにも多大な影響を与えている。
その完璧なマジックにより、ナチス軍に連戦連敗だった戦況が一転し、結果的には、連合軍の勝利へと導かれる事になる。

彼は、完全に人間の心理を見抜いていると思った。
敵は、連戦連勝でどこかに油断があった。
彼はそれを見逃さなかった。

戦場では、誰も混乱していて、冷静に考える事が出来ないものだと思う。
そんな中で、彼は、マジックのステージをそのまま戦場に拡張したかのような、見事なパフォーマンスを繰り広げて見せた。
その時の最高司令官なんかより、ある意味、戦況を広く冷静に見ることが出来ていたんじゃないかと思う。

さらに、彼のすごいところは、マジックだけじゃなく、正義感と行動力にあると思う。
「世界はどうあるべきなのか?」「そういう世界にする為には何が必要なのか?」って事を本気で考えて行動に移した。

天才マジシャンともてはやされてた人間が、進んで戦場になんて行く人はあんまりいないと思うし。
むしろ、技術や才能によってだけじゃなく、そういう強い意志によって、数々のマジックが生み出されたのでは?と思う。

人間の可能性は、強い意志によって切り開かれていく。
そんな事を教えてくれるような壮大なノンフィクションストーリーだった。

終戦後、国内で彼の功績は認められる事はなく、影のヒーローの活躍は彼の自伝にのみ記される事となった。
戦時中に披露したマジックの謎をかかえたまま、彼は70歳で他界。
イギリス軍の機密法により、そのトリックは2046年まで公開される事はないという。

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