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20代前半の頃、僕はバリバリのバンドマンだった。ニュースクール・ハードコアという極めてアンダーグラウンドなシーンで活動してた。音楽的にはとても好きだったけど、ステージの上と下との間に何か超えがたい壁があるのはどうしても好きになれなかった。

この映像(http://www.youtube.com/watch?v=Phb14q_5wcM …)のように、ステージを埋め尽くすほどの観客がステージ上に上がって来たり、観客席では腕ぶん回したり回し蹴りしたりしてダンスをする観客もいて、観客にもかなりの主体性はあったんだけど、それでもステージの上と下で超え難い壁を感じた。

僕は演奏側としてステージの上でライブを楽しむ権利があったけど、ほとんどはステージの下でライブを見ていた。ステージ上に憧れを抱いてコネで登りつめ、ステージ下の観客たちを見下す人たちがたまらなく嫌いだったから。

そんな態度だったから、僕たちのバンドはその音楽シーンでは孤立していった。結果的に、憧れのバンドがやっているレーベルからのスプリットCDの話も無くなっちゃったんだけど、それで良かったと思ってる。

そう、その音楽シーンは、”Unity”ってみんなで叫んで団結を呼びかけていたんだけど、結局は身内で固めてますます排他的になり、階級制を強めて行っている感じだった。それじゃ結局は一過性のものに過ぎず、持続可能ではないんだよね。

その頃から、ステージ上とか下とか演奏者とか観客とかの間にある壁に違和感を感じていたんだと思う。そういう感覚が残っていたからか、ポートランドに住んでみたときに、そういう壁がない環境がいかに街を楽しくするのかを身をもって知ることが出来た。

僕の目指すまちづくりは、ステージ上とか下とか、演奏者とか観客とか、運営側とか来場者とか、そういう垣根が薄く、互いに自由に行き来できるようなもの。恐らく、従来の方法でまちづくりを目指している人には、目指すのがむしろ難しいゴールかもしれない。

乗り遅れないように頑張れば頑張るほど、乗り遅れた人を焦らせることになる。ステージの上に上り詰め安住することに執着すると、それだけステージ上と下の間に溝を作ることになる。そうなると、何でも面白くなくなる。

乗り遅れても途中参加しやすい雰囲気作りが大事だし、ステージの上と下を気軽に行き来できるような環境づくりも大事だと思う。そうなれば、想定外なほど街が面白くなってるはず。