フィンランドの小さな都市から始まったという「オープンダイアローグ」。
直訳すると「開かれた対話」。
個人的な解釈では、例えどんなに病的な話でも思う存分語らせ、自己完結を補助する対話手法のこと。
この対話手法について、べてるの家のメールマガジン「ホップステップだうん!」 Vol.049ではこう書かれていた。
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浦河のアプローチはこのオープンダイアローグと共通点が多いと言われるなか
で、エピソードとして思い出されるのが、山根耕平さんの「UFO事件」です。
今から10年くらい前のある日、山根さんはUFOに乗るためにえりも岬に行き
たいとみんなに訴えました。そこで多くのメンバーが集まってミーティングが
開かれ、本人も交えてその対応が話し合われました。
「宇宙船は何人乗り?」、「どうして乗りに行かなきゃならないの?」などな
ど、次々と質問や意見が飛び交います。
ちなみに「オープンダイアローグ」にはこんなルールがあります。
「Do not tell the truth(本当のことを言ってはいけない)」。
べてるのミーティングでもルールがないにも関わらず基本的にみんなこれを守っ
ています。つまり、「それは病気だ」とか「症状だ」といった一般論や正論の
ような野暮ったいことは誰も言いません。
それは「語り」を封じてしまう言葉だと斎藤先生は言います。
その山根さんのミーティングでは「UFOに乗るには免許証が必要だ」という話
になりました。かつて大和さんが無免許でUFOに乗ろうとして二階から転落し
て骨折したと言うのです。
すると山根さんは「免許は持っていない」と言います。
ならば、免許を取りに行こうという話になり、無免許では行かせられないとい
う意見にその場の全員が同意しました。
結果、山根さんはUFO の免許を取得するために「川村宇宙センター」に入院し
たのでした。
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この場合の「川村宇宙センター」とは、精神病院のこと。
みんなに説得された訳でもなく、とことんみんなで対話した結果、自然な流れの中で精神病院に行くこととなったということ。
語りを封じずに思う存分語らせることで、相手は結果的に自らあるべき道に進むようになる。
この自己完結のプロセスが重要であり、対話はそのための補助であり、環境という位置づけになる。
強制的にそうさせる訳でも、そうなるように誘導する訳でもない。
僕たちは、この自己完結のプロセスの途中で、どうしてもお節介だったり、アドバイスという名の余計な横やりを入れてしまいがちだ。
でも、そうではなくて、自分が相手に思う存分語らせるための環境になるということ。
そうすることで、相手は自分の力で自分の可能性を拓くということにつながる。
このオープンダイアローグが自然とできる人が多くなれば、社会の中の多くの問題が解決してしまうかもしれない。