この本は、大半のアメリカの都市が成長計画に反して縮小・衰退していく中、ユニークで行政と市民が一丸となった好ましい形でマイペースに成長するアメリカの5つの中小都市を紹介し、苦境に立たされている日本の同規模の都市への応用を提案する本。
その5つの都市とは以下の通り。
デービス(カリフォルニア州)Wikipedia
「スロー風土」という言葉に象徴される通り、ゆっくりを志向するまち。カリフォルニア大学デイビス校を要する学園都市として有名だが、ファーマーズマーケットやビレッジホームズなど、当時はとても先駆的な取り組みが行われていたパイオニア的なまち。
チャールストン(サウスカロライナ州)Wikipedia
伝統的な街並み保存を行政・市民が一丸となって徹底的にやったまち。ジョセフ・ライリー市長のリーダーシップが大きく、「歴史ある建物を保全する会」「チャールストン歴史財団」などの民間非営利団体が影響力を持つ。
バーリントン(バーモント州)Wikipedia
とにかくチャーチ・ストリート・モールが特徴。カナダのモントリオールから推計年間100万人が訪れるという。ショッピング目的だけでなく、「市民の広場」としての機能が成功の鍵だった。
ボルダー(コロラド州)Wikipedia
車を排除したコンパクトなまち空間。外側はグリーベルト。ビッグボックスリテールとの競合を受けて立つ地元の零細商店。対照的に住みにくくなってしまったコロラドスプリングスとの対比が印象的。
チャタヌーガ(テネシー州)Wikipedia
最悪の環境汚染からの見事な再生を果たしたまち。テネシー側沿いのウォーターフロントの整備や水族館などは市民の出資によるところが大きいというのが驚き。「チャタヌーガ・ベンチャー」という将来のビジョンをみんなで考える組織により、市民参加が活発になった。
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この本は、アメリカ留学期間中にもろに勉強したような内容だった。著者の方の興味や勉強内容、まちを見る観点などのベクトルが自分ととても近く、自分も独自に興味を持った都市を研究し、こういう本を書けそうだなと感じた。
しかし、現時点で、この本で例示されている都市でよく知っていたのはボルダーぐらいだった。留学期間中に実施したアメリカ一周の鉄道の旅で、やはりオレゴン州のポートランドが一番住みやすいと結論付けたが、アメリカにはまだまだ未開拓で面白そうな都市がありそうだなと感じた。