子どもが生まれると、木を植える人々がいる。
言い伝えやおまじないとしてではなく、どこまでも現実的な実生活の為に。

今年の「持続可能な国づくりの会」のシンポジウムの論集で、岡野先生自身が北欧を視察し、見聞きした事柄から、下記のように紹介している箇所がありました。

「フィンランドで昔の貧しかった農民は、子どもが生まれると森に行って木を植え、それを二十五年くらい後に、子どもが大人になって一家をかまえる時に切って家を建てる」

多くの人が見向きもしないようなことかもしれませんが、最近、僕たち人間にとって、これこそかリアルな暮らしであるべきではないかと、僕には思えてなりません。

いつの時代も、「衣」・「食」・「住」が、人間の暮らしの基本であることは変わりはないはずです。
それなのに、僕等はあまりにもそれらからかけ離れた暮らしをしていないでしょうか。

森を育て、そこから得られる資源を使って暮らしを豊かにすること。
例えば、これこそが人間のリアルな暮らしだと思うんです。

最近、木材が地消地産出来たらどんなに素晴らしいだろうって思うんです。

実は、うちは、湘南平(近くの小高い丘陵)に森林の土地を持っているんです。
木々は生い茂っているんですが、全く手入れがされていないまま放置されています。

森林は、手入れをせずに放置しておけば、太陽光が地表に届かなくて、土地が痩せていきます。
痩せた土は雨水を十分に蓄えられないので、大雨でも降れば土砂崩れが起きやすくなるそうです。
また、土が雨水を吸わなければ、地下水から川に流れ出る水の量が減り、水不足が深刻になることも考えられます。
おまけに、手入れがされていない森林は、あまりCO2を吸わないそうです。

つまり、手入れのされていない森林は、本来の森林の機能を十分に果たさないということです。
なので、間伐や枝打ちなどを通し、木々を程よく伐採して、手入れをすることが必要になるんです。

林業について、動画で分かり易く紹介しているページがありました
http://webmap.torikyo.ed.jp/ipa/w1rin1/w1a/w1ac/IPA-rin120.htm

実際に、「木材の地産池消がウッドマイレージ(木材の輸送距離)を短縮してCO2排出を削減すること」に着目し、地元の木を使ってウッドマイレージを減らす試みをして、今年の「ストップ温暖化大作戦」で金賞を受賞した団体があります。

京都府立北桑田高等学校 森林リサーチ科
http://www.jccca.org/daisakusen/area/kyoto/

間伐材は、ほんといろんな用途に使えると思うんですよね。

由比ガ浜で、大規模な海の家の建設が始まっていますが、ここでも大量の木が使われています。
恐らく、この木材の多くが外国産だと思いますが、こういう光景を見ると、外国の森林破壊と日本の手付かずの機能を果たさない森林のアンバランスさが鮮明に頭に浮かび上ってきます。。。

最近良く思うんですが、現状の環境的に、既に、モノを所有した時点で責任が発生する時代に突入していると思うんです。
土地や建物など、モノを一人占め、ないし、家族占めするなら、それなりの覚悟をすべきであって、それらを十分に活用するために、稼働率を上げる努力をすべきということです。
「製造者責任」という概念より、さらに次元の高い話なので、ちょっと飛躍しすぎかもしれませんが・・・

こういう風に考えるようになって、うちの森林の土地も、所有している以上は社会に果たすべき義務があるのではないかと考えるようになりました。

これに関しても、農業のコミュニティと同様、「湘南平の森林の土地を所有する人たち」+「ボランティアによる市民」で構成される非営利のコミュニティを組織して、地産地消目的の林業を始められれば素晴らしいと思うんです。
(実は、これも父親がリタイヤした後の生きがいになると思って提案して父親の反感を買ってしまった内容なんですが・・・)

もちろん、林業なんて素人に簡単に始められるようなものじゃないし、一家族だけで片手間に出来るようなものじゃないのは分かってます。
だから、慎重に計画して、何十年も見越して、しかもコミュニティ・ビジネスなどの形で、強かに、中心メンバーの生活に必要な収益をあげつつ、効率的に運営させていくんです。

幸い、環境問題への意識の高まりで、特に日本人の場合、環境に優しい商品は高くても買う傾向があるそうです。

例えば、100%地元で採れた木材という宣伝文句で、ホームセンターなどで小売してもらう。
例えば、100%地元で採れた木材で出来たハンドメイドの家具を売り出す。
例えば、100%地元で採れた木材で作るオーダーメイドのサービスを展開する。

こういった実績を積み重ねていくと、自治体が注目するかもしれません。
その結果、自治体からの補助が出ることもあるかもしれないし、自治体がその商品を大規模に受注するかもしれません。
例えば、地元産の木材で作ったベンチを設置したり、バス停も地元産の木材で作ったり。
結果的に、こうして積み上げた「地産地消を実践している」という事実は、その自治体にとってとても大きなアピールポイントになり得ますから。

もちろん、林業に対し、僕は本当に全くの素人なので、現時点では全く説得力は無いですね・・・
でも、こういったコミュニティを組織して、時間はかかってでも成功に導かせるプロになる道筋は自分なりに見えています。

そのコミュニティの中で、僕が何でも出来る必要はないんです。
そのコミュニティを構成するメンバーの中で、うまく役割分担をしていけばいいだけです。

今秋に控えた留学の目的の一つは、名実共にその力を付けるためなんです。

現実離れしたただの理想論と取られがちで、とても苦しい時期ではあるんですが、自分の信じた道を自分のペースで着実に歩んで行きたいと思っ