富志夢フラッグ・プロジェクトのみんなと富士山登頂を果たし、その頂上で夢を叫んでから、もうちょっとで一週間が経とうとしています。

昨日、絶妙なタイミングで、富士山に関連する涙と感動を呼ぶ新聞記事に出会ったので、それをご紹介しようと思います。

アルピニスト野口健さんの『富士登山清掃』のお話です。
相当長いですが、是非とも読破して欲しいです。

僕は、今、父方のおばさんの家に住まわせてもらっているのですが、富士山に登る前、おばさんに、「富士山ってゴミだらけなんでしょ?」ということをしきりに問われました。

僕は、単純に知らなかったので、その時は「へぇ、そうなんですか??」程度に空返事をして、富士山は汚いもんだと思いながら富士山に向かいました。

でも、5合目から出発し、6合目、7合目・・・頂上に至るまで、僕は一つもゴミを見かけませんでした。

多分、地面に這いつくばって見ないと発見できないくらい、ゴミはなかったのです。

家に帰ると、おばさんは、再び「やっぱり富士山はゴミだらけだったでしょ?」と僕に聞きました。

「いや、ゴミなんて無かったですよ」と答えると、おばさんは腑に落ちないようで、いつまでもすごく不思議がってました。

帰ってきてから数日間、僕も、おばさんとの間にある認識の違いがすごく気になってしまっていました。

そんな時、それを一気にクリアにしてくれたこの記事を読んだのです。

野口さんは、史上最年少で世界7大陸の最高峰登頂を果たしたアルピニスト(登山家)です。

野口さんは、初めてエベレストに登った時、7600メートル付近(富士山の約2倍の標高・・・汗)で遭難し、咳のし過ぎで肋骨が折れたそうです・・・汗

その為に深呼吸が出来ずに酸欠状態に陥り、記憶を失い、瀕死の状態で発見され、酸素マスクを付けられ、何とか意識を取り戻しベースキャンプに戻る事が出来たという、まさに九死に一生を得たという過去を持っています。

そんな過酷過ぎる状況の中、ヨーロッパの部隊の呼びかけに、不貞腐れながらもエベレストの清掃登山を続けたと言います。

いやいややっているうちは、例えば、韓国の部隊が出したゴミを見れば韓国の部隊のマナーの悪さを指摘していたそうですが、その直後に、その数倍のゴミの山を見せ付けられ、それが日本の部隊が捨てて言ったものだと知り、唖然としたそうです。。。

酸素ボンベの山・・・

清掃登山の場合、通常より高い6000メートル付近にベースキャンプを張り、1ヶ月かけて体を慣らしながら8000メートルまで登るそうですが、高所では酸素が薄過ぎてふらふらしてしまい、酸素ボンベにしても一本ずつしか回収出来ないそうです・・・汗

誰かが一つ酸素ボンベを捨てれば、誰かが危険を犯しながら一往復し、それを回収しに行かなければならなくなります・・・

この危険過ぎる清掃登山により、現地のシェルパ(登山者の支援をする人)が3人も亡くなったそうです・・・

命を懸けてゴミを拾うのは、「ゴミを拾ううちに、自分の国がゴミだらけだということに気付いたから」と現地のシェルパは言ったそうです・・・

エベレストをゴミだらけにしているということに、僕ら日本人が大きく加担しているとしたら、皆さんはどう思いますか?

これは、決して日本人登山者だけのせいには出来ません。

何故なら、僕たちの国は、国中ゴミだらけなのですから・・・

ゴミを持ち帰る部隊と、捨てていく部隊と様々だそうですね。
きれいに拾っていくのは、ドイツ、デンマーク、ノルウェー、スイス、ニュージーランドなど。

確かに彼らの国もきれいなのです。

「日本は経済は一流かもしれないが、文化やマナーは三流だ」
「エベレストを、マウント・フジのように汚すつもりか」

そう言われても、僕らは何も言い返せません・・・

この時、エベレストに残された日本のゴミは、日本の社会の縮図なのだ ? そう野口さんは感じたそうです。

日本人として、見過ごせない現実が厳然とここにありますね。。。

かつて、夏の富士山には、”白い川”があるといわれていたそうです。

使用済みのトイレットペーパーが、山肌に張り付いていて、さらに、麓の青木ヶ原樹海には、トラックや乗用車のタイヤ、注射器などの医療廃棄物、アスベストなど、不法投棄されたゴミの山となっていたそうです・・・

野口さんは、まず、行政に掛け合ったそうですが、良い返事がもらえず、清掃登山員をボランティアで募集したそうです。

1年目に集まったのは約100人。

毎年訪れる30万人の登山者が捨てていくゴミ、、、たった100人ではとても埒があかない・・・

挫けそうになりながらも、2年目も募集して清掃登山を決行したそうです。

そして3年目。

この年集まった約300人のボランティア清掃員と、前年ひどかった6合目に向かうと、そこにはゴミが無いことに気が付いたそうです。

野口さんの募集した清掃登山員がすべてゴミを回収出来た訳ではなく、一般の登山者が、休憩中にポケットからビニール袋を取り出して、周囲のゴミを拾っていたのだそうです!

30万人が捨てればすぐゴミだらけになるが、30万人が一つ二つ拾うだけで、実はすぐにきれいになるということが明らかになったのです!

何より、たった一人の呼びかけから、何十万人という登山者の意識が180度変わるんだってことが証明されたのです!

僕は、この話を知らなかったら、富士山は元々ゴミのないキレイな山だと思ってしまっていたかもしれません。

汚い頃の富士山を知らないのですから・・・

野口さんを始め、その他多くの登山清掃員の方のしてくれたこと、、、

僕は、その限りない恩を見過ごすところでした・・・

誰かのしてくれた恩を忘れてしまうことは人間として一番愚かなことだと思うけど、その恩に気付けないのもすごく悲しいことだと僕は思います・・・

予想以上に、多くの外国人の登山者が訪れていたこと、、、

彼らに、ゴミのない美しい富士山を見せてあげられたこと、、、

さらに、僕を含めた富志夢ファイター達が気持ち良く夢を始められる舞台を用意してもらえたこと、、、

それらが、彼らの限りない尽力によるものだと考えると、僕は、彼らに対して限りない感謝の気持ちが沸いて来ます。

確かに、ただでも富士山は美しいです。

でも、彼らの汗と涙の結晶で、富士山が、よりいっそうキラキラして美しく見えてくるのは僕だけでしょうか?

そんな力強く美しい富士山に支えられた夢を持てたことは僕の誇りです。

富士山は、日本の環境問題の出発点にしか過ぎないのかもしれません。

先月、真鶴の海岸に行きましたが、それはひどい有様でした・・・

食い散らかされて、使えなくなった浮き輪や、使いきりのつもりか、買ったばかりと思われる銛までもが無残に捨てられていました・・・

これは人間のすることではないと正直思いました・・・

でも逆に考えると、こんなにもゴミを散らかせるのは、人間にしか出来ないことなんです・・・

野口さんが言うように、環境問題というと自然を相手にしがちになってしまいますが、実は、環境問題は、人間が引き起こす場合がほとんどなんです。。。

人々の意識を変えていかない限り、環境問題は決して解決することはないんです!

その為に、気付いた人が責任を持って行動に移して行かないといけません。

僕は、野口さんにそのことを気付かせてもらいました。

「自分がゴミを捨てない」ということはもちろんですが、「どうしてゴミは捨ててはいけないのか?」ということを多くの人に気付いてもらえるように、さらには、出来る限りゴミを出さないようにする為にも、世界中の人々が例外なく「必要なモノを必要なだけ」持てる世界になるように、自分なりに精一杯行動して行こうと思っています。

野口健さんのオフィシャルサイトで、彼の活動がさらに詳しく載っていましたので、是非とも読んでみてください。
http://www.noguchi-ken.com/message/b_num/2004/4_0416_a.html