生前に、進和学園の創設者の出縄明さんに会っておきたかった。以前、出縄さんのこの記事を読んで、ひどく感動したのを覚えている。「ひかりの轍(わだち)」scn-net.ne.jp/~journal/kono%

一市民が福祉を作る。そんな偉業を成し遂げた進和学園創設者の出縄明さんは、「そうせざるを得なかった」と語った。自殺未遂をする程追い詰められていた。「夢」は目標を果たす原動力になるけど、人間の能力を発揮させ切ることは出来ない。「使命感」こそ、人間の可能性を拓き切るものだと思う。

出縄明さんは、85歳で亡くなる当日も、Yシャツ姿で、熱心に取り組んでいた七夕飾りを見に来ていたという。トルストイは言った。「人間は病気のときも健康なときも変わりなく、自分の使命を遂行できる」 使命の人は、死ぬ瞬間まで使命の活動を続ける人なんだと思う。

地元にこんなに素晴らしい人がいたことを誇らしく思います。出縄さんは、祖父と同級生で親交が深く、僕は出縄さんの設立した保育園に行ってました。僕が小さい頃は、知的障がいを抱える人たちを抱える進和学園は、あからさまに差別の対象でした。でも、そんな逆風を乗り越えて、尊敬を勝ち取るまで血のにじむような努力を重ねた出縄さんは、まさに偉人だと思います。

「出縄明さんをここまで駆り立 てた原因は、小学校3年生の時、吃音でいじめられたことにあった。 5年生 の時、猛毒と聞いた緑青を集めて飲み、死のうとしたが死ねなかった。 意識 を取り戻したあと、「弱いもののために生きよう」と決心した。 教室で笑われ、 泣き伏した時、一緒に泣いてくれた先生がいた。 自分の手に落ちたその先生 の熱い涙を、一生忘れないという。」http://kbaba.asablo.jp/blog/2010/09/21/5358934

これが本当の教育だと思う。役立たずとしか思われなかった人間が、福祉を作り上げてしまう程の人材になった。スティービー・ワンダーも、盲目で役立たず扱いしかされなかった小さいころ、学校で実験用のマウスが逃げたとき、先生にその優れた聴覚を買われて探すようにお願いされなかったら、今日の彼はいなかったかもしれない。

出縄さんとは直接面識はなかったけど、彼の生き様から多くのことを学び、意志を受け継いでいきたいと思う。