今更ながら、以前参加したシンポジウム『?人身売買をなくすために? 被害者保護と自立支援 ・ アジアとヨーロッパからの報告』のこと(下記の日記を参照)を書こうと思います。(結構前に下書きは済んでました)

人身売買の最大の受入国『日本』
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=233024722&owner_id=2247284

関連するイギリスのポピープロジェクトという団体が支援した女性たちの話です。

カトリーナの話
 カトリーナはルーマニアの学生でした。彼女は友達の友達であるアレックスと親しくなり、英国にある彼の家で一緒に住むように薦められました。アレックスは航空券を買ってあげると申し出ました。
 英国で暮らし始めてからすぐにカトリーナは一室に監禁され、暴行とレイプを繰り返し受けました。アレックスは彼女を逃がしてやっても良いが、彼が用意した航空券代の借金を返すために売春婦として働けと脅されました。カトリーナは売春婦として働き始め、稼いだお金をすべてアレックスへ渡したのです。
 カトリーナは一度支払いを怠った時、街角でミニバンに引きずりこまれ何度も暴行とレイプを受けました。アレックスが彼女を他人に売ると決めるまで一年以上、カトリーナは売春婦として働く事を強制されたのです。アレックスは彼女を転売して得た金を引き出していた際、警察によって逮捕されました。
 その後、カトリーナはポピープロジェクトに紹介され、身の安全が保障された後、カウンセリングを受け始めました。カウンセラーはカトリーナの精神的回復と法的支援を行い、その過程でカトリーナはボランティアも始めました。
 その当時、ブローカーを追訴する法制度はまだ確立していなかったため、アレックスはすぐに自由の身となり、カトリーナが警察の調査に協力した場合は家族を殺すと脅してきました。カトリーナは故郷の家族が嫌がらせの電話を何度も受けていることを知っており、家族兄弟の無事を案じています。でも、自分が故郷へ戻ることはもうできないと諦めています。

ロアンナの話
 ロアンナはアフリカで生まれました。ロアンナの母親は彼女が幼少の頃に姿を消したことから、年配の女性に預けられ実の娘のように育てられました。ロアンナは学校へは通わず、育ててくれた女性の面倒を見ながら過ごしました。ロアンナが13歳のとき女性は亡くなり、その後の数年間を彼女は様々な友達と共に過ごしました。
 友達はロアンナに暴力をふるい、彼らのために働くよう強制しました。又、彼女は何人もの男性にレイプを受けました。ロアンナは、警察はお金のある人だけに力を貸すということを知っていたので、警察に助けを求めませんでした。
 ある日、スチュアートという英国人が彼女に英国で彼のために家政婦をしないかと持ちかけてきました。ロアンナはスチュアートと共に英国に渡りました。彼は書類の準備などすべてを整え、入国の際には管理官と何かを話し、ロアンナを入国させたのです。ロアンナがスチュアートの家に到着すると彼女はマッサージ師として働くのだと告げられました。ロアンナは驚き、それを断ろうとしたため暴力をふるわれ、命令に従わないと逮捕されるぞと脅されました。ロアンナは家に監禁され、毎日多いときには7人の男性との性交を強制されました。
 6ヶ月後、警察によってその家は取締りを受け、ロアンナは留置所に連れて行かれました。スチュアートは留置所にいるロアンナを訪れ、本当のことを話すと彼女をアフリカへ送り返し、彼の知人の手で殺させると脅しました。ロアンナは友人から、実際にアフリカへ送還された女性がブローカーの手によって殺されたという話を聞いていました。スチュアートが留置所を訪ねてくることは、ロアンナが警察に真実を打ち明けてからはなくなりました。でも、彼女は見知らぬ人からの嫌がらせ電話を多く受けました。留置所から解放された後、ロアンナはポピープロジェクトに紹介されました。彼女はカウンセリングを受け、安全な住居を得て、生活支援を受けています。しかし彼女は未だ一人で外出することができず、ブローカーに見つかるのではないかと恐れ続けています。

※ここで使用されている名前、出身国などは本人の安全のため仮名、仮出身国です。

シンポジウムで頂いた冊子には、「国際的な人の移動から派生する人身売買と」して以下のような要因があると書かれています。

【押し出し要因(Push Factor) :送り出し国内の事情】
 ・就業機会と教育の欠如
 ・貧困
 ・災害、紛争、政治・経済政策の失敗による政情と経済の不安定
 ・民族やジェンダーに対する差別
 ・家族の病気、両親の死亡による家庭崩壊

【引っ張り要因(Pull Factor) :受け入れ国内の事情】
 ・渡航、入国に対する出入国の甘さ
 ・送り出し国と比較して高い収入と昇進が得られる機会や、トレーニングを受ける機会がある
 ・移住労働者の労働力に期待する需要がある
 ・その需要を満たすために、受け入れ国に移住した親戚・友人のネットワークや、就職斡旋業者の活発な勧誘がおこなわれる
 ・メディアのグローバル化や、インターネットの普及で海外の情報が増え、移住労働への過剰な期待と希望がつのる

まさに今起こっていることの因果ですよね・・・

僕たちの国は、この人身売買の最大の受け入れ国として、法的な対策は始まっているようですが、あまりうまく機能しておらず、まだほぼ無法地帯のままのようなんです・・・

この問題についても、現状を正しく知り、うまくみなさんにお伝えていけるように勉強していきたいと思っています。