統合失調症(7)活力を奪うだけの治療

現状では、統合失調症などの精神障がいの回復は、患者の活力を奪うことによって行われることがまだ一般的だと思う。
薬漬けにしたり、物理的・精神的に拘束したりして、当事者性も言葉も行動範囲もモチベーションも、根こそぎ奪う。
患者を「無力化」させることによって問題解決をはかろうとする。
「“囲”学」(囲うの囲)、「“管”護」(管理の管)、「“服”祉」(服従の服)…
これは、ソーシャルワーカーの向谷地さんが、大学卒業後精神科の現場に足を踏み入れたときに感じたという3つのキーワード。
本来は、「医学」「看護」「福祉」のはずですが、いつしか「囲い込んで、管理して、服従する」という全く別のものに置き換わってしまっている。
べてるの家のメールマガジン 「ホップステップだうん!」の第006号に載っていた中尾利佳さんの精神病の施設での体験は酷かった。
まるで刑務所だった。
薬を飲む時も、入浴の時も、看護師の監視下で集団で一斉に、又は並んで行われるらしい。
施設利用者は、施設から一日も早く出られるように、調子の良い姿を演じる。
中尾さんは言います。
「たとえ、どんなに私が人間的に優れていて、東大に合格できるような学力なんかがあったとしても、精神病者になると、少なくとも十数年前に私が受けた医療現場では、医師や看護師、その他専門家という上に立つスタッフと、見下される暗愚な患者、という構図に追いやられてしまうのです」
もちろん、この頃に比べると精神医療の現場も変わってきているとは思う。
だけど、根本的には、やはり当事者の方たちの活力を奪うことで解決しようとしているところがある。
それは、世界の精神科病床の2割を日本が抱えるという現状に現れている。
次回へ続く…