スタジオ•ジブリの変わらない姿勢

友達から、スタジオジブリの映画のDVDをいくつかもらってしまった。「天空の城ラピュタ」と「ハウルの動く城」と「耳をすませば」。DVDにはリージョンコードがあって、日本版を買ったらアメリカで見れなかったらしく、どうせならあげるって。ジブリの映画はやっぱ永久保存版だ。 

スタジオジブリの映画って、本当に商業的な狙いが薄い。つまり、インディーであり、かつ、売れ線かどうかに限らず自分たちの独自の路線を貫く映画ということ。競争社会が激化しどの企業もサバイバルを強いられる中で、零細企業のまま世の中の流れに逆らって独自の道を貫くのは容易なことではないはず。 

以前、映画「アバター」と「崖の上のポニョ」を比較してみたことがある。前者は、非現実的で神秘的な想像上の美の結晶から美を感じるアプローチ。後者は、既にあるありのままの自然の姿から美を再確認するアプローチ。 

個人的には、後者の方が、地味とはいえ、エンターテインメントを超えて、映画を観た後の人々の行動に影響を与えるものだと思う。映画ってのは、エンターテインメントを超えて人々に影響を与えられるかどうかに真価が問われるべきなのかもしれない。そうしないと、本当に金儲けでしか無くなってしまう。 

スタジオジブリの現社長の星野康二さんが創価学会員だということを知らなかった。2008年の社長就任まで、彼はニューヨーク州立大学でMBAを取得し、それまでウォルト•ディズニー•ジャパンの社長をしていたバリバリの実業家だった。彼は、初代社長の鈴木敏夫さんから後継者として指名された。 

僕が感銘を受けたのは、ビジネスマンとして稼ぎまくるノウハウを持っている星野さんが、ウォルト•ディズニー•ジャパンとは逆の経営手法を、スタジオ•ジブリでは取る決意をしたこと。つまり、会社の存続•成長などより、提供する作品の質で勝負する方針に切り替えたということ。 

星野さんは、一般のMBA取得者とは一線を画す行動に出たのだと思う。個人的には、これこそが「人間としての」MBA取得者の行動なんだと思う。企業の経営者も、会社の「継続的成長」とか「株主」などから独立出来なければ、当初のビジョンに沿った価値あるものは生み出し続けられない。 

社長が変わり、スタジオ•ジブリが、バリバリの実業家の拡大•成長路線や創価学会の価値観などから、引き続き独自の路線を貫けるかどうかが楽しみだ。新社長になってから制作された「崖の上のポニョ」はジブリらしい素晴らしい作品だった。社長が変わっても、このまま「らしさ」を貫いてくれるだろう。 

「変わらない」でいたいなら、「変化を恐れない意思と勇気」が必要になると思う。刻々と変化するこの社会で、当初のビジョンを見失わずに変化に柔軟に対応することこそ、変わらないでいられる秘訣なのだと思う。