先日、Japan For Sustainability(JFS)主催の下記のフォーラムに参加してきました。

フォーラム ハーマン・クノフラッハー氏を囲んで
『温暖化とエネルギー危機の時代、
都市計画と交通政策を考える』
?Human Behavior in Transport?
http://www.japanfs.org/ja/jfs/event/event080424.html

ハーマンさんは、ウィーン工科大学の教授で、ヨーロッパの最先端の交通の分野で活躍する科学者です。

そんな彼が講演するというので、どんなにテクニカルなことが聞けるのかと思っていたんですが、彼が話してくれた最先端の交通のキーとは、何ともアナログな「サイクリング」でした。

昔、ドイツで「自転車専用レーンがどれだけあるか?」また、「どれだけ利用者がいるか?」の調査が行われたそうです。

そして、その調査の結果、「自転車専用レーンがあれば、サイクリストが増える」という習性を突き止めたそうです。

ちょっとした変化を加えることにより、人々の振る舞いが変わるということですね。

この結果をうけて、ハーマンさんはオーストリアでもサイクリング推進に動き出したそうです。

しかし、1975年ごろ、ウィーンなども例外なく自動車依存真っ只中で、それ以外の選択肢が考えられない社会だったそうで、自転車なんて誰も相手にしてくれなかったそうです。

自転車ユーザーはほぼ0で、それを推進しようと思うハーマンさんは、むしろみんなに笑われ、挙句の果てには敵No1.と認識されるようにまでなってしまったそうです。

価値観がひっくり返ってしまっている世の中では、正しいことを力強く推進しようとすると、こういう現象が現われるのは当たり前のことなのかなと思ったりします。(僕も、家族を含め、いろんな人にLRTの話しをすると、「今更路面電車なんて時代遅れだ」とか、あまり熱心になって話すと、「そんなに執着しているとキチガイだと思われるよ」など忠告されることもあります。。。)

しかし、その8年後にサイクリングに理解のある人が市長になったのを機に、ハーマンさんは自転車を推進し、専門の部門創設までこぎつけたそうです。

ウィーンでも、自転車専用レーンの長さに比例して、サイクリストが増えるという結果になったそうで、オーストリアの都市の町並みは当時と比べて様変わりしているようです。

車だらけで身動きできなかった息苦しさはなく、歩行者や自転車優先の車の無い人間に優しい町並みに変わっているそうです。

科学者や経済学者や政治家などの権威のある人たちがそれぞれの尺度でいろんな計算をして社会が形成されると思うんですが、温暖化をはじめ、いろんな計算外の悪いことが常に起こり続けていますよね。

面白いことに、自動車依存まっしぐらな状態から大胆な交通改革を行った都市で、たったの一週間でその地域に住む人はその環境に順応したというケースがあったそうです。

結果的には鉄道や歩行者中心社会に戻った形なのですが、これは学者たちが全く予期出来なかったものなのだそうです。

人間の心理や心の分野になると、科学的にはまだまだ解明が進んでいないことを物語っていますよね。

日本は、とても交通システムの発達した国と認識されていますが、自転車利用という面では、整備がされているとは全くいえないですよね。

多くの人にとっても便利な交通システムを構築しているのですが、実は一部の人にとっては、とても不便な交通システムなんです。

ヨーロッパでは、大学によっては、生徒に何週間か車椅子で行動させてみて、どういう場面で不便に感じるか、また、それをどうやって解決していくのかを研究させるそうです。

ドイツなんかは町全体がバリアフリー化されているなんて聞きますが、日本で起こっている弱者排除の風潮とは一線を画していますよね。

僕も、個人的にサイクリングには注目していて、今年に入って長年愛用していた原付を廃車にして、自転車生活に突入しました。

その自転車も、友達から頂いたもので、とても良い自転車が手に入って本当に助かっています。

一生大事にしようと思っています。