みなさんは、「道徳的な行動(Moral Action)」をどう定義しますか?

昔から「道徳」って難しいな?と思うのが、「誰がどんな基準で判断するのか?」ってことなんです。

例えば、学校で道徳の授業があったとして、その道徳の教科書に書いてあることは、その教科書を作成した人の道徳観でしかないということです。

そこには、「人を殺してはいけない」と書いてあるかもしれません。
当たり前のことかもしれませんが、それが何故なのかを突っ込んで考えたことがある人は少ないかもしれませんね。

何でか分からないけど、どこかで見たり聞いたりした道徳的な行為だから、それによってやったりやらなかったりしてしまうというのは、ある意味すごく危険なことだと思っています。

何しろ、道徳心は、机上で学ぶものというより、人の営みの中で心に刻まれ、培われるものなのだと思います。

前置きが長くなりましたが、最近、TOEFLのListeningトレーニングの一環で、Philosophyクラスのレクチャーを聴きました。

そのレクチャーは、ジョン・スチュアート・ミル(John Stuart Mill, 1806年5月20日 – 1873年5月8日)の「the Greatest Happiness Principle」という原則についてでした。

そのレクチャーによると、彼の著作、「功利主義」(Utilitarianism)では、「道徳的な行動」を下記のように定義しているようです。

Moral actions are those that produce the greatest amount of happiness for the greatest number of people.
(道徳的な行動とは、最大多数の人々の為に、最大幸福を生み出せる行動のことです)

この原則を理解する上で重要になってくる鍵は、「greatest」という言葉です。

まず大事になってくるのは、どれだけ多くの人々の為に、どれだけ大きな幸福を生めるかということでしょう。
一見、道徳的な行動をしていても、その影響範囲が限られていたり、影響度が低かったりすれば、「Greatest」とは言えないかもしれませんよね。

矛盾するかもしれませんが、次は、「その時」の「その人なり」の「Greatest」があるということです。
「今」というスナップショットでは、人々に与えられる影響度は個人差があるでしょう。
でも、大事なのは、いつの時も、その人なりにベストを尽くせるということ。
それが「Greatest」に繋がることもあると思います。
そして、現時点での可能性は限定的だとしても、未来への可能性はみな平等だということを忘れてはいけません。

逆に、カリスマ的に、いくら大きな影響を人々に与え、社会を良くしていたとしても、心地よい世界に安住してしまい、やるべきことをやらなかったとしたらどうでしょう?
理想や思想が偉大で、いくら先を見通せる力を持っている人でも、現実を具体的に変える為の原因を作り、結果に替えていけなければ、当然、「Greatest」とは言えません。

過去にも偉人と呼ばれる人は沢山いましたし、現在も当然いますが、彼らはみな、「偉人」として歴史の教科書に並べられているように並列なのではなく、「Greatest」という言葉が表しているように、一人一人に奥行きがあるのだと思います。
その「奥行き」を学ばないと、小手先の思想や哲学に惑わされてしまうので、その辺を見極める目が必要だと思います。
「何を」「どのように」「どこまで」変革させたかという具体的な因果を突き止めることが必要不可欠です。

ちょっと脱線しましたが、最後に大事だと思うのは、「自他共の幸福」であるということです。

「自己中心主義」という言葉はネガティブに使われることが多いですが、本当に自分のことだけしか考えずに行動しているとしたら、当然、「Greatest」とは言えません。

では、他人の為に「犠牲的精神」で尽くしているとしたらどうでしょう?
涙を呼ぶような美しい精神に見えますが、こうある限り「Greatest」にはなりません。
何故なら、「自分」に対して幸福を与えられない時点で、「最大多数」とは言えないからです。

この「自他共の幸福」は僕の人生のテーマでもあります。
僕は昔から、自分の利益にならないことは積極的にやらない傾向があります。
だけど、いつからか、他人の為に動くことの価値を知るようになりました。

で、今は、自分の利益にもなり、しかも、出来るだけ多くの人の為になるように智慧絞り、労力を惜しまず行動することが、結局は自分の成長にもなり、人々の幸福や社会の変革に直結するということを理解しています。
これも、厳然と「Greatest」の条件に無ければならないと僕は思います。

ほとんど、僕の我見ですが、ジョン・スチュアート・ミルの「the Greatest Happiness Principle」から、ここまで広げることが出来ました。