マイミクのミッシェルさんの日記で、Matthewさんという方がコメントしていたU2のボノさんの日本へ向けた意見書の内容を転載させて頂きます。

大分前の話になりますが、このコメント内容は、多額の債務の為に極度の貧困から抜け出せない国々への債務帳消しを訴えたものです。

最近も朝日新聞にボノさんの記事が載っていましたが、ボノさんは、ここ数年のノーベル平和賞の候補者になっているそうです。

ミッシェルさんの日記:Can’t you see what our love has done?
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=285072412&owner_id=5766188

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新しいミレニアム(千年紀)の夜明けがやって来た。日の昇る東に位置する日本は、新時代への幕開けを最初に迎えた経済大国である。二〇〇〇年代最初の主要八カ国(G8)首脳会議の議長国として、世界をリードしていく立場になった日本に、私からのメッセージを伝えたい。私は今、世界七十カ国に広がる非政府組織(NGO)の「ジュビリー2000」のスポークスパーソンをしている。これは、最も貧しい国々が最も富める国々に負っている返済不能な借金を、新世紀を前に一度すべて帳消しにしよう、という運動である。実現すれば、一日1ドル以下で暮らしている極貧状態の約十億人の生活に、大きな変化を及ぼすことが可能となる。
一九九六年に英国で始まったこの運動によって、昨年のケルン・サミットでは、先進国と発展途上国の関係を永続的に変える原則が樹立された。それは、貧しい人々の食事や教育、予防接種といった基本的生活権を犠牲にして古い借金を返済することを明確に否定したのである。先進各国と世界銀行、国際通貨基金(IMF)がこの原則を行動に移せば、返済免除になった金額の用途に関する厳しい条件つきのもとで、一千億ドル以上の債務が救済される。重債務貧困国四十一カ国が抱える債務総額は約二千七十億ドルに上る。NGOはその全額救済を求めているが、これが実現すれば記念すべき出来事となろう。一年前には実現への希望が持てなかったこの運動は、今では各国の市民や政治家の意識や行動を大きく変えた。私たちは、累積債務を社会主義の問題と位置づけた。それというのも、先進国からの借金の多くが、本来使われるべきところに投じられず、冷戦下の戦略で、旧ザイールのモブツ元大統領のような独裁者を維持するために使われたからだ。グローバル経済の下では、同じ地球上に住む私たちは、いや応なく相互依存関係に置かれている。貧困は紛争を招き、戦争には多額の費用がかかる。結局は予防策を講じる方が安上がりなのだ。
債務が焦げつき、借財人が破産した時には、それを帳消しにするというのが、まっとうな経済学のあり方である。これは金融業者が、皮肉を込めた有名なことわざで知っている通りだ。「あなたの馬が倒れて死んだら、馬から下りてあげなさい」
債務帳消しに伴うモラルハザード(倫理の荒廃)を問う声もあるが、ニ十世紀が生み出した不正義を、ニ十一世紀に持ち越すべきではない。それに、個人や会社のようには決して破産を宣言できない貧困国に対して、世銀・IMFの保証でリスクがゼロの貸し付けを、用途の透明性を十分に確保しないままに続けてきた先進国のモラルハザードの方が、ずっと深刻な問題である。私たちは米国で、経済学者や政治家にこうした議論を挑み、打ち勝った。クリントン大統領は昨年九月、それまでの二国間債務の九〇%救済から前面帳消しへと政策を前進させた。英国政府も国際世論の動きを理解し、昨年末に二国間債務の一〇〇%帳消しを打ち出した。次は、G8の新議長を務める日本が、七月の沖縄サミットを前に、一歩前に進み出る番だ。日本が重債務貧困国四十一カ国に貸し付け中の債権総額は一兆一千億円に達する。政府の途上国援助(ODA)を金額で見れば、日本は世界で最も寛大な提供者である。だが、貧しい国が貧困解消や経済発展の代わりに、債務の返済に国家予算を投じ続けなければならない現状では、援助の多くはむだに終わってしまう。
ケルン・サミットの合意に基づいて、日本は四千億円規模のODA債権放棄を打ち出しているが、もう一歩進めて完全な帳消しが可能ではないだろうか。これを実施すること以上に、日本が存在を世界にアピールできる行動はないだろう。今月ニ十ニ日には東京でG7蔵相・中央銀行総裁会議が開かれる。重債務貧困国の債務削減問題も議論されるだろう。日本は議長国として、最も裕福な国々の行動全般に責任を負っている。小渕恵三首相と宮沢喜一蔵相は、ケルンで約束された原則を現実に移すために、G8のかじをうまく取ることができるはずだ。
(ロックバンド「U2」リードボーカル ボノ=投稿)