今話題の「Slumdog Millionaire」を一足先に見ました。
実は、去年の公開後間もなくして一度観て、最近もう一度見に行きました。
英語が聞き取れなくて細かいところまでは未だ理解できていないんですが、映像を観ながらストーリーを追いかけるだけでも、本当に素晴らしい映画だということが分かりました。

映画の世界のことは良く知らないんですが、なにやら、ゴールデングローブ賞の主要4部門をすべて制覇し、アカデミー賞の沢山の部門にもノミネートされ、オスカーに一番近い作品となっているらしいです。

この映画を知ったきっかけは、マイミクのMatthewさんの日記でした。
僕にはうまく映画の紹介が出来ないので、Matthewさんの日記の作品紹介をご覧ください。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1051974885&owner_id=1810353

この映画はフィクションですが、インドの浮浪者(Slumdog)が、日本でもおなじみのクイズ番組「ミリオネア」に出て、一夜にして億万長者になります。
インドの貧民街で生まれ、その日を生きるのがやっとの状態で各地を転々と浮浪しながらかろうじて生きてきた青年がです。

みなさんは、こんなことが現実にあり得ると思いますか?

確かに出来すぎた話だとは思いますが、この映画を観て、グラミン銀行の支援により、持続可能な自営業を始められたバングラデシュの極貧民のことが連想されました。
次元は違うかもしれませんが、グラミン銀行の最大の功績は、こういった極貧民でもその「能力がある」ということを証明したことだと個人的には思います。

逆に言うと、バングラデシュでは、この証明がなかったうちは、ただ社会から忘れ去られていただけということです。
残念ながら、この証明は多くの場所で浸透していないので、そういった場所では、未だにこういった人たちはただ社会から忘れ去られた存在となっているのだと思います。

こういった状況を生み出すのは、環境ではなく、やはりそこにいる人たちだと思います。
生まれた境遇や社会的身分、今生活している環境などから判断し、彼らは能力が無いとレッテルを貼ってしまうのです。

この映画でも、番組の終盤で、いよいよ最終問題に差し掛かる場面で、「浮浪者(Slumdog)などに難しい知識などあるはずがない!」 という偏見から、主人公のジャマールは拷問そのままの壮絶な取調べを受けることになります。

肌の色が違うから、同じ地域に住めるはずがない。
彼は障害を持っているから人並みに働ける訳がない。
奴は我々の国の言葉が得意じゃないから、議論の場から追い出そう。
あの宗教団体の信者は妄信しているから、まともに話が出来るはずがない。

人は、何かとまとまった単位で人々を一くくりにして、こうやってレッテルを貼りたがるものです。
そうなると、もはやその人の中では、個人個人を別々に判断することはなく、あくまでその単位としてしか考えなくなります。

この映画の場合は、「浮浪者(Slumdog)」が一くくりにされた結果、ジャマールという個人も自動的に「無能でなければならない」という機械的な計算がなされたんだと思います。
これって、ある意味、狂信的とも言える思想ですよね。

僕も、特定の団体に所属しているからといって、最初から様々なレッテルが貼られます。
こういったメカニズムがある程度理解できていないと、ノイローゼになってしまうところです。

こういった社会構造は、個人個人のパフォーマンスを著しく低下させてしまうと思います。
以前書いた「僕の理想とする社会」とは正反対の方向性を持った社会です。
残念ながら、日本の社会構造も、僕の理想とはかけ離れています。

「ストリートは大学」と言われるように、日常生活の中で得られる情報は限りがないと思います。
真剣に生きていればいるほど、知識は根強く残り、生きる智慧に変わっていくはずです。
そういった意味では、どんな境遇であろうと、どんな身分だろうと、一人一人を深く理解していかない限り、一人一人の能力を正確に把握することは出来ないはずです。

偏見や先入観を打ち消し、一人一人に焦点を当てることこそ、今の世界に求められているのだと思います。
そういったメッセージも、この映画から感じ取れました。

また、この映画の場合、ジャマールがクイズにすべて正解しミリオネアになることをは、実は皆が望んでいたことだったんだと思いました。
社会から忘れ去られた存在でも、何かのきっかけで社会の主役になれるということ。
この証明は、それを極端に不都合だと思う少数の人を除き、大多数の人にとっての希望になると思います。

どうにもならないと思える現実を打開した実績を、彼はインド社会に積み上げた。
ジャマールの成功は、多くの人々が潜在的に望んでいたことだったということです。
この映画でも、その場面が特に強調されていたように思います。

他にも、様々な要素が入り混じっていて、人によって違う見方をすると思いますが、この映画を観て、特に感じたことを書いてみました。

日本での公開は4月だそうです。
是非、映画館に足を運んで観てみてください。

【参考】

スラムドッグ・ミリオネア 日本語公式サイト
http://slumdog.gyao.jp/

僕の理想とする社会
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1026116740&owner_id=2247284